ガイラ狙撃「やった!通常3が10発も撃てる!」
ガイラ援撃「でもおれの通常2速射より威力低くね?」
ガイラ狙撃「うっ……」
ガイラ援撃「しかもこっちは状態異常弾も豊富だよ?」
ガイラ狙撃「(どうしてこうなった)」
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ご存知の通り、ガイラブリッツ・援撃の通常2速射の性能はとても素晴らしいです。
しかし、ガイラアサルト・狙撃は通常3を10発も装填できるのに威力はガイラブリッツ・援撃の通常2速射よりも低いです。。
そのため『ヘビィで通常弾を撃つならガイラブリッツ・援撃で速射した方がダメージが出る』と言われることが多いです。
MHWのヘビィでは過去作にはあった2つの要素が廃止されてます:
- ダメージ計算におけるボウガン補正
- しゃがみ撃ちとリミッター解除
これらがもし廃止されていなかった場合、上記の関係はどうなってたのでしょうか。ガイラブリッツ・援撃の通常2速射とガイラアサルト・狙撃の通常3単発の弾1発あたりのDPS (Damage per Second)を計算し比較したいと思います。
各武器のスペック
ガイラブリッツ・援撃(以下、ガイラ援撃)の武器倍率はで会心は0%です。
ボウガンのカスタマイズはよく使われている『反反◯』とし、通常2速射を反動小・リロード速いで撃つものとします。
通常2の装填数は装填拡張スキルを考慮して8発とします。
一方、ガイラアサルト・狙撃(以下、ガイラ狙撃)の武器倍率はで会心は10%です。
ボウガンのカスタマイズは『反リロ◯』とし、通常3を反動中・リロード普通で撃つものとします*1。
通常3の装填数は上と同じく装填拡張スキルを考慮して10発とします。
DPS計算式と計算に使った条件
DPSを計算するにあたって、クリ距離補正、会心補正、強化パーツ補正、スキル補正は考慮しないとし、対象の肉質を100とします。そのためダメージ計算に必要な数値は武器倍率と弾威力と速射補正のみとなります。よって弾1発あたりの物理ダメージは、
と書けます(四捨五入は無視します)。
MHWでの通常2と通常3の弾威力はそれぞれ20, 32で、速射補正はガイラ援撃にのみ適用されその値は200%です。
次に、弾1発あたりにかかるリロード時間を考慮した時間は、
となります。反動時間とリロード時間はそれぞれボウガンの反動とリロードの段階によって変化する時間です。したがって弾1発あたりのDPSはとなります。
ガイラ援撃は反動小・リロード速いなので、となります。
またガイラ狙撃は反動中・リロード普通なので、となります。
今作でのDPS比較
ガイラ援撃の場合、
ガイラ狙撃の場合、
となり、冒頭に書いた現象が実際に起きていることがわかります。
もし、ボウガン補正が廃止されてなければ
ボウガン補正とは武器係数とは異なる補正値のことで、ライトは1.3、ヘビィは1.48です。
これを考慮すると弾1発あたりの物理ダメージは次のようになります:
これを考慮してDPSを再計算すると、ガイラ援撃の場合、
ガイラ狙撃の場合、
となり、通常2速射と通常3単発の威力差が縮まっています。
もし、しゃがみ撃ちとリミッター解除が廃止されていなければ
しゃがみ撃ちとは、ハンターが腰を落としてヘビィを構え弾丸をただひたすら撃つというシンプルでとても強力なアクションです。しゃがみ撃ち中は移動や回避を行うことが出来ず無闇にしゃがむと大ダメージを負う可能性があるため、諸刃の剣のようなアクションです。
MHXXのブレイヴスタイルでは、ブレイヴ状態になると『ボルテージショット』という強力なしゃがみ撃ちができましたね。
しゃがみ撃ちはヘビィによってしゃがみ対応弾が違います。今回はもしガイラ狙撃が通常3をしゃがめたらということを仮定してDPS比較したいと思います。
しゃがみ撃ちで撃てる弾数は30発*2と20発*3の2通りで計算しました。
しゃがみ撃ちでは弾1発あたりの物理ダメージは変化しないかわりに、弾1発あたりにかかる時間が変化します。しゃがみ撃ちで撃てる弾数が30発の場合、しゃがむ動作に約2秒、30発撃ちきるのに約22.5秒、立ち上がる動作に約1.5秒の合計26秒程度かかります。これよりしゃがみ撃ちで30発撃てる場合に弾1発あたりにかかる時間は、
となります。これと同様の計算をするとしゃがみ撃ちで20発撃てる場合のその時間はとなります。
よって、しゃがみ撃ちで30発撃てる時のDPSは、
となり、しゃがみ撃ちで20発撃てる時のDPSは、
となります。
もししゃがみ撃ちが選択できたならば、立ち撃ちでの低いDPSをカバーできた可能性が高いですね。その場合、しゃがみ弾数は20発が妥当でしょう。
また、しゃがみ撃ちができない代わりにボウガンのリミッターを解除して性能を変化させる技術として『リミッター解除(通称リミカ)』と呼ばれるシステムが過去作に存在しました。
リミッター解除すると機動力が落ちるデメリットが存在しますが、大まかに次のようなメリットが存在します*4:
- 速射・しゃがみ撃ちができなくなる代わりに、一部の対応弾の装填数が増える
- (ヘビィのみ)ボウガン補正が1.7になる
通常弾はレベルに関係なくリミッター解除すると装填数が3発増える*5ので、これを考慮してDPSを計算します。ガイラ援撃の場合は速射ができなくなるので速射補正がなくなり、となります*6。よって
ガイラ狙撃の場合、
となって冒頭の状況はあまり改善されません(訂正)となって一気に状況は逆転します。これに加えてボウガン補正を考慮すると、
ガイラ援撃の場合、
ガイラ狙撃の場合、
となってどんどん差が開きすぎてしまいます。これだけ攻撃力が跳ね上がってしまうのが原因でMHXXではリミッター解除が廃止されて、その他のメリット(全弾装填やしゃがみ撃ちの有無)が狩技やスタイルとして変更されたのでしょう。
最後に
結論として、ボウガン補正が廃止されていなければ冒頭で書いたような現象は起きていなかったということがわかりました。次回作に期待ですね。
とは言っても現状ではボウガン補正がないので、打開策を提案したいと思います。
それは『メイン弾としては通常3で立ち回って、モンスターがダウンしたりチャンスが生まれた時は散弾3や拡散弾(ソロのみでの使用が望ましい)を使用して一気に大ダメージを与える』といった方法で差を埋めることです*7。
これができるヘビィとしては、たとえば、
などがあります。特にガイラアサルト・爆撃は無属性強化も乗るのでさらなる火力アップが期待できます。
冒頭で書いた差は一体なぜ生まれたのかを知りたくて私は計算し、ダメージがどうのこうのって書きましたが、もう火力を追求してクエストに行く時代ではなくなったので好きなヘビィを担いで狩りをすれば良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*^^*)