えんぺっこメモ

主にモンハンシリーズで計算した内容を書き残すブログです。

【MHW】榴弾ビンの与ダメージ(Ver 1.05 ~)

お久しぶりです。

1年くらい前のVer 1.05のアップデート以降、榴弾ビンのダメージ計算式が修正されました。

修正後はスキルが榴弾ビンのダメージに乗りにくくなってしまい、いまいち恩恵が感じられなくなりました。

そこで実際にそのダメージ計算式を追って、どれだけスキルを盛れば榴弾ビンのダメージが上がるのかを調べてみました。

榴弾ビンのダメージ計算式

Ver 1.05のアップデート以降の榴弾ビンの計算式を書いておこうと思います。

カスタム強化を含む元々の武器倍率を A、カスタム強化を含む変化後の武器倍率を Bとし、 [ ... ] は計算後に四捨五入する処理を表すとします*1。するとその計算式は次のように書くことができます*2

 \bigg[ \bigg[ \ A \ \times \ \text{砲術スキル} \ \times \ \text{ネコの砲撃術} \ + \ \dfrac{(B - A)}{2} \ \bigg] \ \times \ 0.25 \bigg]

この式だけではパッとわからないので具体例を計算してみたいと思います。武器はタイラントブロスⅡ(攻撃カスタム1つ)として、無属性強化、砲術3、攻撃4を発動させた状態で、爪護符所持、鬼人薬G種粉塵を使用し、猫飯は攻撃大にネコの砲撃術を発動したとします。

まずタイラントブロスⅡの元々の武器倍率は 230、攻撃カスタムは元々の武器倍率 +5なので、カスタム強化を含む元々の武器倍率 A

 A = 230 + 5 = 235

となります。

次にカスタム強化を含む変化後の武器倍率を計算したいと思います*3。無属性強化はカスタム強化を含む元々の武器倍率に適用されるので、

  [ \ (230 + 5) \ \times \ 1.1 \ ] = 259

これに鬼人薬Gや怪力の種、食事スキルの攻撃大などが加算されます。アイテムによる武器倍率の増加分は合計で 57*4、さらに攻撃4を発動してるのでそれに武器倍率に 12加えられます。したがって変化後の武器倍率 Bは、

 B = 259 + 57 + 12 = 328

となります。

砲術3とネコの砲撃術は榴弾ビンのダメージをそれぞれ 1.3倍、 1.15倍する効果なので、これらの条件での榴弾ビン1つあたりの与ダメージは、

 \bigg[ \bigg[ \ 235 \ \times \ 1.3 \ \times \ 1.15 \ + \ \dfrac{(328 - 235)}{2} \ \bigg] \ \times \ 0.25 \bigg]

 \hspace{8cm}  = \bigg[ 398 \ \times \ 0.25 \bigg] \ = \ \bigg[ 99.5 \bigg] = 100

と求められます。

防具スキルと与ダメージ

前節では攻撃4を発動させた場合での榴弾ビンの与ダメージ量を計算しました。この枠は攻撃4以外にもフルチャージ3やフルチャージと攻撃を組み合わせたりと様々な組み合わせが存在します。そこでこの枠をいろんなスキルに変化させた場合、榴弾ビンの与ダメージはどのように変化するのか調べました。

攻撃4以外の条件は前節と同じとします。攻撃4の枠は具体的なスキルを入れるのではなくていろんな数値を当てはめてその時の与ダメージを計算しました。

その結果が以下のグラフになります:

f:id:emperor0218:20190227173545p:plain

CBPhial

縦軸が榴弾ビン1つあたりの与ダメージで、横軸の『武器倍率の増加分』というのが攻撃4の枠に対応します。組み合わせとして考えられうるスキルはグラフ中に図示してあります。

武器倍率を 8加えることができれば榴弾ビンの与ダメージを 1上げることができることがわかりました。逆に 8下がると榴弾ビンの与ダメージが 1減ってしまうことになります。こまめに種や粉塵を飲むことができれば榴弾ビンの与ダメージを維持することができますね。

この 8という数字はダメージ計算式にも表れていて、ダメージ計算式の四捨五入処理をカッコだと思って展開すると、

 K \ + \ \dfrac{(B - A)}{2} \ \times \ 0.25 = K \ + \ \dfrac{(B - A)}{8}

となって( Kは定数とします)、アイテムやスキル効果を含む武器倍率の増加分が 8で割られているからだと考えられます。

 

最後までご覧いただきありがとうございました!

*1:たとえば、 [10.3] = 10, \ [24.6] = 25という感じです。

*2:ダメージ計算式最後にかけられる 0.25榴弾ビン補正と盾強化補正と斧攻撃力補正を合わせたものとなっていて、本来 0.21 \times 1.1 \times 1.1 = 0.2541になるはずですが有志の検証の結果 0.25でないと実測と合わないです。

*3:無属性強化はダメージ計算式の Bを計算するときにのみ使われることに注意しましょう。

*4:力の護符は武器倍率 +6、力の爪は +9、鬼人薬Gは +7、怪力の種と鬼人の粉塵は +10、食事スキルの攻撃大は +15の合計 57です。

【MHW】Lv3通常弾を救いたい

ガイラ狙撃「やった!通常3が10発も撃てる!」

ガイラ援撃「でもおれの通常2速射より威力低くね?」

ガイラ狙撃「うっ……」

ガイラ援撃「しかもこっちは状態異常弾も豊富だよ?」

ガイラ狙撃「(どうしてこうなった)」

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ご存知の通り、ガイラブリッツ・援撃の通常2速射の性能はとても素晴らしいです。

しかし、ガイラアサルト・狙撃は通常3を10発も装填できるのに威力はガイラブリッツ・援撃の通常2速射よりも低いです。。

そのため『ヘビィで通常弾を撃つならガイラブリッツ・援撃で速射した方がダメージが出る』と言われることが多いです。

MHWのヘビィでは過去作にはあった2つの要素が廃止されてます:

  • ダメージ計算におけるボウガン補正
  • しゃがみ撃ちとリミッター解除

これらがもし廃止されていなかった場合、上記の関係はどうなってたのでしょうか。ガイラブリッツ・援撃の通常2速射とガイラアサルト・狙撃の通常3単発の弾1発あたりのDPS (Damage per Second)を計算し比較したいと思います。

各武器のスペック

ガイラブリッツ・援撃(以下、ガイラ援撃)の武器倍率は \dfrac{247}{1.3} = 190会心は0%です。

ボウガンのカスタマイズはよく使われている『反反◯』とし、通常2速射を反動小・リロード速いで撃つものとします。

通常2の装填数は装填拡張スキルを考慮して8発とします。

一方、ガイラアサルト・狙撃(以下、ガイラ狙撃)の武器倍率は \dfrac{285}{1.5} = 190会心は10%です。

ボウガンのカスタマイズは『反リロ◯』とし、通常3を反動中・リロード普通で撃つものとします*1

通常3の装填数は上と同じく装填拡張スキルを考慮して10発とします。

DPS計算式と計算に使った条件

DPSを計算するにあたって、クリ距離補正、会心補正、強化パーツ補正、スキル補正は考慮しないとし、対象の肉質を100とします。そのためダメージ計算に必要な数値は武器倍率と弾威力と速射補正のみとなります。よって弾1発あたりの物理ダメージ Dは、

 D = \dfrac{\text{武器倍率}}{100} \times \text{弾威力} \times \text{速射補正}

と書けます(四捨五入は無視します)。

MHWでの通常2と通常3の弾威力はそれぞれ20, 32で、速射補正はガイラ援撃にのみ適用されその値は200%です。

次に、弾1発あたりにかかるリロード時間を考慮した時間 Tは、

 T = \text{反動時間} + \dfrac{\text{リロード時間}}{\text{装填数}}

となります。反動時間とリロード時間はそれぞれボウガンの反動とリロードの段階によって変化する時間です。したがって弾1発あたりのDPSは \textrm{DPS} = \dfrac{D}{T}となります。

ガイラ援撃は反動小・リロード速いなので、 \text{反動時間} = 1.2 \ \textrm{sec}, \ \ \text{リロード時間} = 1.2 \ \textrm{sec}となります。

またガイラ狙撃は反動中・リロード普通なので、 \text{反動時間} = 1.0 \ \textrm{sec}, \ \ \text{リロード時間} = 2.1 \ \textrm{sec}となります。

今作でのDPS比較

ガイラ援撃の場合、

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 20 \times 2.00}{1.2 + \dfrac{1.2}{8}} = 56.30

ガイラ狙撃の場合、

  \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32}{1.0 + \dfrac{2.1}{10}} = 50.25

となり、冒頭に書いた現象が実際に起きていることがわかります。

もし、ボウガン補正が廃止されてなければ

ボウガン補正とは武器係数とは異なる補正値のことで、ライトは1.3、ヘビィは1.48です。

これを考慮すると弾1発あたりの物理ダメージ D'は次のようになります:

 D' = \dfrac{\text{武器倍率}}{100} \times \text{弾威力} \times \text{速射補正} \times \text{ボウガン補正}

これを考慮してDPSを再計算すると、ガイラ援撃の場合、

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 20 \times 2.00 \times 1.3}{1.2 + \dfrac{1.2}{8}} = 73.19

ガイラ狙撃の場合、

  \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32 \times 1.48}{1.0 + \dfrac{2.1}{10}} = 74.37

となり、通常2速射と通常3単発の威力差が縮まっています。

もし、しゃがみ撃ちとリミッター解除が廃止されていなければ

しゃがみ撃ちとは、ハンターが腰を落としてヘビィを構え弾丸をただひたすら撃つというシンプルでとても強力なアクションです。しゃがみ撃ち中は移動や回避を行うことが出来ず無闇にしゃがむと大ダメージを負う可能性があるため、諸刃の剣のようなアクションです。

MHXXのブレイヴスタイルでは、ブレイヴ状態になると『ボルテージショット』という強力なしゃがみ撃ちができましたね。

しゃがみ撃ちはヘビィによってしゃがみ対応弾が違います。今回はもしガイラ狙撃が通常3をしゃがめたらということを仮定してDPS比較したいと思います。

しゃがみ撃ちで撃てる弾数は30発*2と20発*3の2通りで計算しました。

しゃがみ撃ちでは弾1発あたりの物理ダメージは変化しないかわりに、弾1発あたりにかかる時間が変化します。しゃがみ撃ちで撃てる弾数が30発の場合、しゃがむ動作に約2秒、30発撃ちきるのに約22.5秒、立ち上がる動作に約1.5秒の合計26秒程度かかります。これよりしゃがみ撃ちで30発撃てる場合に弾1発あたりにかかる時間は、

 \dfrac{2.0 + 22.5 + 1.5}{30} = 0.87 \ \textrm{sec}

となります。これと同様の計算をするとしゃがみ撃ちで20発撃てる場合のその時間は 0.93 \ \textrm{sec}となります。

よって、しゃがみ撃ちで30発撃てる時のDPSは、

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32}{0.87} = 69.89

となり、しゃがみ撃ちで20発撃てる時のDPSは、

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32}{0.93} = 65.38

となります。

もししゃがみ撃ちが選択できたならば、立ち撃ちでの低いDPSをカバーできた可能性が高いですね。その場合、しゃがみ弾数は20発が妥当でしょう。

また、しゃがみ撃ちができない代わりにボウガンのリミッターを解除して性能を変化させる技術として『リミッター解除(通称リミカ)』と呼ばれるシステムが過去作に存在しました。

リミッター解除すると機動力が落ちるデメリットが存在しますが、大まかに次のようなメリットが存在します*4

  • 速射・しゃがみ撃ちができなくなる代わりに、一部の対応弾の装填数が増える
  • (ヘビィのみ)ボウガン補正が1.7になる

 通常弾はレベルに関係なくリミッター解除すると装填数が3発増える*5ので、これを考慮してDPSを計算します。ガイラ援撃の場合は速射ができなくなるので速射補正がなくなり、 \text{反動時間} = 0.8 \ \textrm{sec}となります*6。よって

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 20}{0.8 + \dfrac{1.2}{8+3}} = 34.54

ガイラ狙撃の場合、

  \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32}{1.0 + \dfrac{2.1}{10+3}} = 52.34

となって冒頭の状況はあまり改善されません(訂正)となって一気に状況は逆転します。これに加えてボウガン補正を考慮すると、

ガイラ援撃の場合、

 \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 20 \times 1.3}{0.8 + \dfrac{1.2}{8+3}} = 44.91

ガイラ狙撃の場合、

  \textrm{DPS} = \dfrac{\dfrac{190}{100} \times 32 \times 1.7}{1.0 + \dfrac{2.1}{10+3}} = 88.99

となってどんどん差が開きすぎてしまいます。これだけ攻撃力が跳ね上がってしまうのが原因でMHXXではリミッター解除が廃止されて、その他のメリット(全弾装填やしゃがみ撃ちの有無)が狩技やスタイルとして変更されたのでしょう。

最後に

結論として、ボウガン補正が廃止されていなければ冒頭で書いたような現象は起きていなかったということがわかりました。次回作に期待ですね。

とは言っても現状ではボウガン補正がないので、打開策を提案したいと思います。

それは『メイン弾としては通常3で立ち回って、モンスターがダウンしたりチャンスが生まれた時は散弾3や拡散弾(ソロのみでの使用が望ましい)を使用して一気に大ダメージを与える』といった方法で差を埋めることです*7

これができるヘビィとしては、たとえば、

  • ゼノ=ジィカ
  • ガイラアサルト・爆撃

などがあります。特にガイラアサルト・爆撃は無属性強化も乗るのでさらなる火力アップが期待できます。

冒頭で書いた差は一体なぜ生まれたのかを知りたくて私は計算し、ダメージがどうのこうのって書きましたが、もう火力を追求してクエストに行く時代ではなくなったので好きなヘビィを担いで狩りをすれば良いと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました(*^^*)

 

*1:どちらも◯の部分のカスタマイズは自由としますが、一般的なのは近距離射撃強化パーツでしょう

*2:MH4Gでのしゃがみ弾数

*3:MHXXでのしゃがみ弾数

*4:他にもメリットやデメリットが存在しますが、ここでは記事に関係しそうなものだけを列挙します

*5:MH4G準拠です

*6:ここの反動時間はMHWのものを使用しています

*7:ヘビィで通常3を撃つ場合に限らず、属性弾を撃つ場合も同様の考えが使えます

【MHW】カスタム強化

「結局、攻撃カスタムと会心カスタムってどっちがいいの?」

って思った時の助けとなるような計算を過去にしたのでそれを書きたいと思います(計算自身は去年3月に行ったものなので情報が古い可能性が高いです)。

まず、攻撃カスタムは『武器倍率+5』、会心カスタムは『会心率+10%(2つ目からは+5%)』という効果です。

カスタム強化を1つつける時にどっちが与ダメに効果が出るのかを計算しました。

計算するにあたって、爪護符所持としました。

武器倍率を aとして、爪護符込みの武器倍率を A = a + 15とする。また会心率を p%とする。超会心は考慮しません。

攻撃カスタムをつける前とつけた後での強化倍率は、

 \dfrac{ (A+5) \bigg( 1+0.25 \times \dfrac{p}{100} \bigg) }{ A \bigg( 1+0.25 \times \dfrac{p}{100} \bigg) } = 1 + \dfrac{5}{A}

また、会心カスタムをつける前とつけたあとでの強化倍率は、

 \dfrac{ A \bigg( 1+0.25 \times \dfrac{p+10}{100} \bigg) }{ A \bigg( 1+0.25 \times \dfrac{p}{100} \bigg) } = \dfrac{410+p}{400+p}

強化倍率が 攻撃カスタム ~\gt~会心カスタム となる条件は、

 1 + \dfrac{5}{A} \gt \dfrac{410+p}{400+p}.

これを解くと、 p \gt 2A - 400、つまり p \gt 2(a+15) - 400となります。

下のグラフの直線は縦軸に会心率を p%、横軸に武器倍率を aとしたときの p = 2(a+15) - 400を表していて、元々の武器倍率と会心率がこの直線の上の領域にある時は攻撃カスタムの恩恵の方が大きいです。

逆にそれらがこの直線の下の領域にある場合は会心カスタムの恩恵の方が大きいです。

しかしどちらをつけようが微々たる差なので個人の趣味だと思います(*^^*)

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custom

この計算をしたときは3月でいまと環境がかなり異なるので必ずしもこれを参考にした方が良いというわけではありません。

現在は超会心を積むことが多いので会心率を上げるために会心カスタムを選択することが多いと思います。組みたい装備に合わせてカスタム強化を選択することが何より大切です。

最後まで読んでいただきありがとうございました(*^^*)